読書感想文 人間失格 太宰治
人間失格読んだ感想。
人と仲良くなりたいけれど、人が怖くてたまらない主人公の葉蔵が色々と頑張るけれど最後は…という話。
初めはこんな人いないだろって読んでいたが、読み進めていくと、それは自分の中にもある感覚で、人と仲良くなりたいが人を怖いと思う、きっと誰の中にでもある、そんなふうに思わされる。
自分のことを正直に言えないばっかりに溜め込んでいて、主人公のことが可哀想になってくる。
が、まったく戦わないその姿勢にイライラもさせられる。それプラスに人を馬鹿にしているようなニュアンスがある。
イライラさせられる時点でもう自分の中にある、恐れる気持ちがあることを知らしめてくれる。
内縁の妻が犯されるシーンがあるのだが、もう完璧に戦いを放棄して、とにかく逃げの一手。
ここはさすがにがっかりして、酒ばっかり飲んでどうしようもないクズ、そうレッテル貼りをした。
最終的に廃人となって、これが人生であると。
可哀想過ぎる。小説でよかったと思える。
久々に小説を読んだが、感情が揺り動かされてとても面白かった。
自分の中にある、人を怖れる感覚、さらけ出せない心情に気づかせてくれてありがとう、そう思った。